そのうちやります。

そのうち更新したい。

研究生活について

ジャーナル向けの論文執筆を形だけではあるがなんとか終え、学部4年次から修士2年までの3年間携わってきた研究*1は一先ず節目を迎えた。

なんとなくその所感を記しておこうという思いが生じてきたので、blogという形で残しておこうかと思う。ただの気の迷いかもしれない。

学生自体の総括も兼ねた記事、という位置づけで書くつもりなので、蛇足かもしれないが研究以外に関することも記述していく。

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大学の近くでよく見かけていた猫。こやつともさらばか。

僕について

都内にあるしょぼい大学に修士前期課程まで通っていた*2

所属学部は工学部で、プラモデルが趣味だったり手を動かして何かをつくるのが好きであったから、高校生の時にまあ将来的に勤めるならメーカーだろうな、と思い、工学部に進学。

大した頭は持っていないこと、学部時代は学業に対して熱心とは言えないまでも課題は無難にこなしていたことから、学科の成績はまあまあ良かった。

僕の大学では成績が良い順に所属する研究室を決められる制度が採られていたから、所属を希望していた今の研究室には滞りなく属することが出来た。

希望した理由としては、当時の自分が興味を持てた分野を取り扱っていたこと*3、修了要件として国際学会での口頭発表を行うことが定められていること、あたりが挙げられる。

修士前期過程への進学理由は、上述した通り国際学会に参加するため。

流石に学部生で国際学会に参加するのは無理が過ぎたというのもあるし、修士に進学するかどうかを決める時期(B4の5~7月のどこかだったか?)時点では、まだ研究を続けたいという思いもあった。

そんなわけで、3年の間、研究というアカデミアの世界に触れることとなった。 

研究室で行っていたこと

研究テーマはざっくりと言えば、薄膜材料の性能評価、という感じで、工学的な観点から各種薄膜材料の特性を評価したり、種々の特性に及ぼす因子の特定なんかに取り組んでいた。

使用していた機器やその内容は主には以下の通り*4

  • 走査型電子顕微鏡やエネルギー分散型X線分析を用いた材料の分析
  • 各種分光法を用いた材料の組成分析・構造解析
  • ナノ界面における物性測定、ほか。

学会には口頭発表・ポスター発表含め10数回ほど参加し、国際学会についても内何件か参加することができた。

論文は査読論文を1報通すことが出来た*5

学生の研究ということで正直質はかなり低いのだが、こういう経験が出来たのは悪くはなかったのかな、と思う。

国際学会にも参加したしジャーナルにも論文を出したのだから、修了要件は多分に満たしていると思うのだが、なぜ今の時期にまた論文を執筆しているか、正直わけが分からん。 

研究室について

修士1年次あたりで実感し始めたが、いわゆるブラック研究室と言われる研究室であったかもしれない。

教授が多忙であったり、助教授があんまり学生の研究に協力的でなかったりしたから、研究のテーマ、進め方、実験結果の解釈なんかはほぼ学生に任せっきりで、

学会の直前に教授が研究の概要をチェックして、(クオリティの低さ、考えの甘さ、延いては個人の人格・感性に対して)怒号を飛ばす、というような流れが主だったように思う。

また、研究室の方針として(見かけ上の)成果主義が挙げられ、研究の質はともかくに学会に参加すること、論文を書くことを強いる環境があった。

そのために学会前など、研究室の雰囲気は全体的にどんよりとしていたり、常に焦りを感じさせたりと、学生がストレスを溜めやすい環境であったと思う*6

個人的に気味が悪いというか、これはあんまりだろうと感じたのが、学生の卒業・修了を条件に研究活動を強いる姿勢が教授にあった点である。

具体的に言えば、学会に参加しないと留年させるといった旨のメールが届いたり、質はともかくに論文を書けと指示してきたり*7

具体的な指示もなく、どういう内容でまとめるのか?といった話し合いをしようにも、「ともかく書くんだよ!データを出すんだよ!」みたいな受け答えをされるのは個人的に終わってんなと感じたのを覚えている*8

そのため、研究を進めていくにつれて有用な知見が得られた→外部(学会)発表という流れではなく、(成果のために?)外部発表をとりあえず申し込んでおいて、その後に無理やり発表するデータを取得する、といったような流れが出来上がってしまっていた。

そういった環境なわけで、実際に精神的に滅入ったり体調をよく崩す人もちらほらいて、うつで半年以上休学する人だったり、ストレスで胃潰瘍になりかける(これは僕)人もいたり。

研究室の形なんてものはそれこそ研究室の数だけあるが、一般的にかくあるべし、とされる研究室の姿とはどういうものだろうか、と修士課程に進学してからはぼんやりと考えていた。

また、修士に入ってからは上述したような研究室の体制を間近にしながら、科学ってなんなんだろうな、と思うことが多くなった。

森博嗣は、著書『科学的とはどういう意味か(幻冬舎)』にて以下のように記述している。

答をごく簡単にいえば、科学とは「誰にでも再現ができるもの」である。また、この誰にでも再現できるというステップを踏むシステムこそが「科学的」という意味だ。

他者による再現性を確保するためには、自身の研究を客観的に、多角的に眺める必要があると思うし、それには多くの時間を要する。

焦燥、憔悴したままに研究に取り組み、形だけデータをまとめ、発表するといった流れは、科学とはかけ離れた何かなんじゃないかなあと思うことがしばしばあった*9

まあ、僕自身が真面目すぎるきらいがあるから、こういう見方をしているだけなのかもしれない。

自身のデータについて客観的に考察できている、という視点自体が主観的なものであるし、そもそも得られたデータを公のものとし、データの解釈の一説を提示することで、より確からしい現象の解釈に繋がっていく、とも考えられる。

変に几帳面ぶってデータを出さない姿勢を貫くのは、新たな発見の芽を摘むことに繋がるのではないかということである。

正直、ここらへんの塩梅をどうすればいいのか、今の僕にはその答えはわからない。まあ、そんなもんなんだろうと思う。

ただこの3年間、研究室と言う狭い環境は人の醜さを感じさせるには十分なことを経験させてくれたと思う。

学生時代の総括

担当教授はよく、「理系の場合、大学の価値の99%は研究にある」みたいなことを主張していた。

まああながち間違いでもないのかもなと感じており、自身の内面が過去のものとは大分変わったことを実感できるくらいには、この3年間の研究室生活では実に様々なことを経験した。

人前でのプレゼンテーションに不慣れであったが、度重なる学会への参加により、今はどのようにすれば効果的に伝わるのか、プレゼン中の挙動はどうすべきか...、など、緊張をコントロールしつつ俯瞰した状態で人前に立てるようになった。

文章を書く、という単純な行為においても、まだまだ拙い文章しか書けない身ではあるが、多少の能力の向上と共に明瞭な文章を書きたいという意識も芽生えたように感じる。

まあ、つまり、ごちゃごちゃと書いてはいるが、学生と言う枠組みで見れば、研究室に所属するというのは非常に貴重な体験であったな、と素直に思う。

主体的に行動することを求められたからか、歳を重ねて落ち着いた視点で物事を見ることができるようになったからか、分からないけれど、この3年間では内面が大分ましな方向に向かってくれたかな、と感じる。

 

学生時代を眺めてみると、浅い人付き合いしかしてこなかったな、と思う。

と、同時に人と仲良くなる、というぼんやりとしたハードルがより具体的な形を帯びて浮かび上がってきたような感覚を持つようになった。

他人といること*10がしんどいと感じることが多いし、ひとりが好きで単独行動しがちであったのだが、やはり振り返るとその人脈のなさには恐れ入る、と我ながら感じる。

そんなわけで、同期の中ではやはり浮いているし*11、浅い付き合いばかりで、社会人になっても付き合っていけるような友人はいないだろう。

虚しさからか、単純な好きという感情か、どちらが先かは分からないけど、一人の女性に好意を抱き、告白して付き合うに至ったこともあった。

一年ほど付き合って、最終的には人格否定されるなりしてフラれたわけだけど、この一件もあり、ああ、人と仲良くするのは本当に難しいなあ、という所感である*12

恋愛については、自分が恋愛に集中している姿が全く想像できないし、実際にそうできなかったのもあり、自分勝手な言い方だが適当に程よい距離間隔を持った人と付き合ってみたいし、やはり人を心から好きになりたいのだろうな、と感じている。

男と女は違うもので、互いの性差を尊重しながら過ごせる関係を築けたら理想、と思うのだが。

 

 

学生時代の経験から得た僕の教訓は、「何事もほどほどに」だ。

実に来月から社会人とそれなりに大きな環境の変化を迎えるわけだけど*13、上記教訓を常に心に持ちつつ、何気ない一日一日を楽しんで過ごしていきたい。

適当に書きなぐってしまったが、まあ適当なのでなんでもいいだろう。適当に〆。

*1:厳密には多少違うのだが

*2:ちょいちょい高学歴なのではと勘繰られるが、そんなことはなく、勉強は苦手だ

*3:なんとなく材料系に魅力を感じていた

*4:必ずしも僕の研究テーマと関連しているわけではない。材料としては、高分子・金属材が主だったと思う

*5:幸いなことに共著も何報か載っけて頂いた

*6:まあ、これはどこの研究室でもそうでしょう。学会前はピリピリとするものです。

*7:まあ、教授は冗談のつもりであったかもしれないが、受け取る側としてはかなり不快だった

*8:一先ずまとめたものを添削してもらう際もきちんと見ているのか謎であった。

*9:まあ、そこには研究をするためには予算が必要だけど、予算(主には科研費)を得るためには投資に値する目に見える成果(例えば、学会発表ほか)が必要であるから、質はともかく成果を出さなければならない、というジレンマが存在していそうなのだが

*10:10年程度付き合いのある友人でもずっと一緒にいるのは厳しい

*11:面と向かって距離を置いていると言われたこともある

*12:努力を放棄しているなあ、と自分で思う

*13:教授が修了を認めてくれれば